第22章 帰城
息を整えながら広間の襖を開けようと手を掛けた。
それと同時にその襖が目の前で勢い良く開く。
『うわっっ!!』
突然すぎて思わず後ろにひっくり返りそうになるのをこらえた。
開いた襖の先に立っていたのは光秀だった。
『光秀さん!ビックリするじゃないですか!いきなり登場するからドキドキしちゃった…』
『ふっ、俺に会えたのがそんなに嬉しいか?』
『もう!からかわないでください!』
(でもまたこうして会えて本当に嬉しいです)
『この城に戻ってきたという事はこれからも俺にいじめて欲しいという事だろう?』
『違いますよ!意地悪されたくて戻ってきたんじゃありません。でも光秀さんはそのままでいてください』
『ああ、お前の事を末長くいじめてやるからな』
心の奥底では何を考えているのかわからないその表情が懐かしくてたまらなかった。