第22章 帰城
『では出発するぞ。落ちないようにしっかりつかまれ』
『はい、お願いします!』
一斉に皆で駆け始め、富山城はあっという間に小さくなっていく。
前回、信長の馬に乗せられて早駆けした時は寝不足と戦の緊張もあって酷い馬酔いに悩まされた。
しかし今回は安土に帰れる嬉しさで胸がいっぱいだ。
景色を楽しむ余裕すらある。
『まだまだ体調は大丈夫な様だな。ならばこのまま安土まで駆けるか?』
『安土まで!?ちゃんと馬たちを休ませてあげてくださいね!』
もちろんこのまま止まらずに安土城に帰りたいけれど、馬が疲れてしまっては逆に効率が悪い。
結局その後何度か休憩を挟んだものの、無事に皆で安土城へと戻ってくることが出来た。