第22章 帰城
『信長様!お待たせしました!』
『来たか。直美、俺の馬に乗れ』
信長の馬にひょいっと乗せられる。
『政宗!向こうの山の麓まで競争だ』
『信長様が相手でも手は抜きませんよ』
(競争!?つまり早駆けだよね!ああ~、前にもあった。これはちょっと嫌な予感が…)
『大丈夫。気持ち悪くなったら薬あるから』
家康と三成が薬と水の入った竹筒を直美に見せる。
『秀吉様も直美様のお帰りを楽しみにしていらっしゃいます。早く安土に帰りましょう』
『うん。でも光秀さんは?』
『光秀なら毛利との戦いが終わった後、まっすぐ五箇山に向かった。すでに安土に戻っているだろう』
『ずっと光秀さんの姿を見ていないと思ったらそうだったんですね』
光秀は一人で五箇山に向かい、そこで何が行われているかを調べ上げてから安土に戻っていた。
五箇山で秘密裏に行われていた煙硝の生産はそれからしばらくして織田軍の監視下で行われる事となった。