第22章 帰城
幸村と佐助も直美の見送りに来ていた。
『幸、小田原城では本当にありがとう。幸のおかげで撃たれずに命拾いしたよ』
『お前、あんまり無理すんじゃねーぞ。また鼻水垂らしてないか安土まで偵察に行ってやるからな』
『ちょっと何それ!!』
『直美さん、俺はいつでも君の味方だから困った事があったら何でも言って。これ、お土産にあげる』
佐助からは無表情のままお手製の煙玉とまきびしを手渡された。
『佐助君、ありがとう。また色々話そうね。景家さんにも一言お礼を伝えてもらえると嬉しいな』
『うん、わかった。皆さんが一緒だから心配ないだろうけど、安土までの道中気をつけて』
その後4人に向かって深くお辞儀をすると、一度も振り返らずに信長たちの待つ場所へと走り出した。