第20章 毛利元就
ーさかのぼる事、少し前ー
信長から直美を託された謙信は足早に家康の元へと向かっていた。
『徳川家康、今すぐこの状況を何とかしろ』
『!?どういう事か説明して!!』
謙信に抱えられているのは間違いなく直美だが、意識はなく上半身が血に染まっている。
『信長を庇って斬られた』
『最悪……向こうに使われてない小屋があるから急いで運んで!三成は綺麗な水と布の準備を!』
家康の指示でその小屋の中に入る。
三成が持ってきた布を広げると、その上に直美をそっと寝かせた。
『傷の確認をするために着物を脱がせなきゃいけない。ここからは俺に任せて欲しい。出来ればもっと水を持ってきてくれると助かる』
家康の真剣な表情に三成と謙信は小屋から出ていくしかなかった。