第20章 毛利元就
『私は織田軍から水を集めて参ります。上杉殿はここで家康様と直美様をお守りいただけますか』
『よかろう。水が足りなければすぐにこちらでも用立てる』
『感謝いたします』
三成は謙信に一礼すると小屋を後にした。
家康は無言で直美の手当てを始める。
(いつの間にかいなくなって小田原と越中まで追いかけさせて、久しぶりに会えたと思ったら意識がなくて怪我して血まみれとかホントあり得ないんだけど。
斬られただけじゃない、腹部のアザと手首のかすり傷、よく見ないとわからないけど首にも傷痕付いてるし。
それに…一体誰につけられたんだよ、この目障りな鎖骨の印…
ねぇ、痛くて怖かったと思うけどちゃんと目を覚ましなよ。信長様も来てるし今度こそ皆で安土に帰るんだからね)
着物を脱がせ、傷を一つ一つ確認しながら優しく血を拭っていった。