第20章 毛利元就
(箝口令を出すほど大量に生産してるの?それを毛利軍が独占して買い占めてるとしたらちょっとまずいんじゃ…)
『なぜ五箇山で生産している事を知っているんですか?』
『うちの世鬼一族が偶然間者として入り込んだのが五箇山だった。運も実力のうちだな』
得意気に話す元就だが、運の強さならこちらだって負けない。
『信長様の運の強さは誰にも負けません。本能寺での暗殺未遂の件はご存知ですよね?』
『ああ、もちろん安芸にも話が届いてるぞ。運良く天女に救われたとかいう話だったな』
(天女!?そんな風に伝わってるんだ。全然違うけど今は知らない振りしとこう)
『そ、そうです。信長様は本当に運が良い方ですけどあの方の凄い所は運だけに頼らず実力が伴っている事だと思います』
『随分と慕っているみたいだな』
至近距離で元就と視線が合う。
ニヤリと笑う元就を思いっきり睨み返した。