第19章 白鳥城
『佐助は姫の居場所を知っているんだな。もし逃がしたらその時は謙信に斬られる覚悟をしておけよ』
『はい。謙信様は直美さんを安全な場所に匿っていると言っていましたが、あれでは監禁です』
『監禁ねぇ。春日山に連れて来た時から何となくこうなる様な予感はしてたけどな。この城が戦場になったら俺は支城に移る。佐助は謙信の側にいてやれ。姫の事も頼んだぞ』
会話を交わすと2人はそれぞれの支度を終えるために歩き出した。
少し前。
謙信と対峙した後、上杉軍に行く手を阻まれた三成。
数人を地面に斬り伏せると来た道を急いで戻り、待たせていた馬に飛び乗る。
馬上から馬と木を繋いでいた縄を刀でさっと切ると、一気に織田軍の元へと駆け出した。
(交渉決裂、しかし何か違和感がありました。信長様に報告しましょう)
信長の元に戻るとすぐに謙信とのやり取りを思い出しながら報告を始めた。