第4章 秀吉と金平糖
安土城に戻るとすぐに軍議となり、城下で拾って持ち帰った猫爪について話合いが始まった。
直美も強制的に参加させられている。
『北条の鼠がこの安土に入り込んだ様だ。こちらを牽制するつもりなのかもしれん。くだらん挑発だ』
皆、信長様の話を真剣な表情で聞いている。
『顕如、上杉、武田の次は北条の登場か。直美、貴様のおかげで退屈する暇がなさそうだな』
『あ、ありがとうございます?』
『褒めてないから』
家康の冷たい視線と鋭い指摘。
『何も被害はなかったけど、城下を秀吉さんと歩いているのを北条の忍に見られてたんだよ』
『それが何かまずいの?』
『あんた、鈍すぎ。安土城の関係者だって知られたってこと。この城に来る前の事も含めて色々巻き込まれすぎでしょ』
北条といえば史実では武田家や今川家と繋がりがあって、でも小田原征伐で秀吉さんに制圧されちゃうあの北条?
もう歴史が歪んでしまっているせいで頭の中が大混乱だった。
また光秀さんに百面相を指摘された。
この展開にもだいぶ慣れてきた…かもしれない。