第19章 白鳥城
『佐助、何故余計な邪魔をする』
離れた場所まで来ると謙信が馬に乗ったまま佐助に詰め寄った。
『このままでは直美さんが傷つく可能性がありました。それに謙信様も珍しく楽しくなさそうに戦っていましたし。違いますか?』
『……後で鍛練に付き合え』
(佐助の言う通りだ。危険を冒してまでも取り返そうとするとはますます気に入らん)
謙信の指示で3人は一旦、白鳥城へと戻った。
佐助は設備の確認をしてくると言って謙信の元を離れる。
『先ほども言ったが特別な部屋を用意してある。少し早いが戦が終わるまでそこで待っていろ』
そういえばそんな部屋があると言っていたのを思い出した。
その時はあまり気にしていなかったのだけど。
『ここですか?』
それは部屋というよりも、蔵の様な立派な建物に見えた。