第19章 白鳥城
どちらから踏み込んで行くか息を飲んで見守っていたその時、辺りに聞き覚えのある声が響いた。
『お二人とも、そこまでにしてください』
『佐助くん!!』
駆けつけてきた佐助が馬上から何かを投げつける。
玉のようなものが謙信と三成の間に落ちて、大量の煙が辺りに充満した。
『煙幕か。佐助、なぜ邪魔をする』
『話は後で。謙信様、こちらへ』
佐助の誘導で謙信は直美の待つ馬に乗ると、佐助を追う様にして一気に前方へと加速した。
追いかけようとした三成の行く手を佐助が率いてきた上杉軍の兵たちが阻む。
謙信と三成の一騎討ちはここで終了となった。