第19章 白鳥城
その後も幾度となく激しく刀が交わり火花が散る。
疲れを見せない攻撃的な謙信に対し、三成は防戦一方に見えた。
だがそれが三成の戦い方だった。
『貴方の攻撃の傾向、癖など大方を収集済みです。それを分析予測し、対処するのが私の戦い方です』
『俺の剣技が分析され尽くしたとして、この姫鶴一文字はお前の思考より鋭く早く走るぞ』
お互いに少し距離を取り、睨み合ったまま再び刀を構え直す。
『実践に勝る議論はございません。どうぞ討ち死にのお覚悟を』
『死に急ぐか、よかろう。ならばお前を殺し、この女を越後に連れて帰る』
『そうはさせません』