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イケメン戦国 安土城の居候

第17章 富山城


数日前。


安土城の広間に武将たちが呼ばれ、軍議が行われていた。


『越中にいる光秀より早馬で知らせが届いた。上杉武田の2人は直美と共に増山城に入った。調べによるとこの後は富山城に向かうらしい。戦の準備を着々と進めているのだろう。』

『富山城?あの辺りじゃ一番要の城だな。支城もあったはずだ』

政宗が一番先に口を開いた。


『上杉武田が春日山城に戻る前に富山城で討つ。誰も異論はないな』

信長の案に異を唱える者は一人もいない。


ここで三成がすでに戦略家の表情になって意見を述べた。

『信長様、周辺の地形と城の造りを考慮すると富山城を落とす前に支城を攻めるのが得策だと思われます』

『支城か、二度と使えぬ様に叩き潰してこちらの強さを見せつけてやればよい』 


信長が話をしている最中だったが秀吉が立ち上がる。

『信長様、すでに全員出陣の準備は出来ております』


その言葉を受けて信長は即座に指示を出した。

『まずは支城から落とす。三成、まずは貴様が単独で攻めて上杉を呼び寄せろ。他の者は後方で待機だ』


『私が単騎で乗り込むのですか?』

『ああ、上杉が出てきたら交渉しろ。直美を返せば富山城は攻めないとな。だが上杉が簡単に応じるとは思えん。その時は俺が自ら行く』


武将たちの中で上杉謙信と最後まで冷静に交渉が出来るのは三成しかいないと信長は判断した。

信長の意図を武将たちもよく分かっていた。
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