第4章 秀吉と金平糖
朝食はとにかく驚きの連続だった。
馴れた手つきでお茶を入れようとして豪快にこぼす三成君。
赤い物体を無表情で料理にかけて無表情で食べる家康。
全てのおかずを1つにまとめて『腹に入れば同じ』と掻き込む光秀さん…
この3人やばすぎる!
信長様はもちろん、秀吉さんも政宗も『またか』という表情で3人を見てるってことは、これが普段の光景なのだろう。そう思ったらなんだか面白くなってきた。
食事を終えた頃を見計らって今日の予定を確認する。
『秀吉さん、今日は城下に行くんですよね?』
『ああ、直美にも必要な物があるだろうから道案内しながら買いに行くぞ』
無表情だった家康が会話に加わった。
『秀吉さん、直美の足、まだ治ってないんであまり歩かせないようにしてくださいよ。それにしてもあんたたち、いつの間に仲良くなったんですか?今にも斬りそうな目で見てたくせに』
あ、そうか、天守に行く前の秀吉さんは確かに別人みたいだったもんね。
家康も朝から相変わらず口が減らないってところだけど、それも彼の良さなのだろう。
『城下に出るなら買ってきて欲しいものがあるんで頼んでもいいですか?』
『ああ、薬を作るのに必要な物だろ?後で必要な数と種類を教えてくれ』
薬を作る?もしかして足を診てくれた時に使った薬って家康が作ったのかな。後で聞いてみよう。
『秀吉、俺には金平糖を買ってこい!』
『それは駄目です、信長様』
(ふふっ、秀吉さん即答してる)
『ならば直美、貴様が買ってこい。これは俺からの命令だ』
『えっ!あ、はい!わかりました』
信長様の命令は絶対だもんね。秀吉さんもすでに諦めモードだ。
こうしてお使いを頼まれ、二人で城下に出かけることになった。