第15章 再び城下へ
何を言い出すのかと思っていたら、次は完全に想定外の質問をされた。
それもとびきりの笑顔で。
『姫は俺と謙信と信長、もしこの中の一人に抱かれるなら誰を選ぶんだい?』
『は?何言ってるんですか?急に何なんですか、その質問!』
『動揺したな。想像でもしたのか?相手は俺かい?』
『何も想像なんてしてません!!』
『そうかー?顔が赤くなってるぞ?誰がいいんだ?』
『赤くなんかなってませんから!!』
『そんな顔してまるで煽ってるみたいだぞ?』
『違います!全然!』
この動揺がきっかけとなって、そこからの勝負は目も当てられないスピードで負けてしまった。
『あー、負けちゃいました……信玄様が変な質問するからですよ』
『言っただろ、心理戦だって。それにしても昨日とは違って見事な負けっぷりだな』
『ずるいです……でも負けは認めます』
『それでいい。さて、記念すべき最初の質問は何にしようか』
信玄の目の奥に光が宿る。
『一つだけですよ』
(あぁ、何を聞かれるんだろう。どうか未来から来た事がバレませんように)