第13章 それぞれの戦い
城の西側で織田軍と北条軍がぶつかり合う音が聞こえ始める。
それに気づいた謙信があからさまに不快な表情になり、北条軍の兵を斬り伏せながら2人に話しかけた。
『信玄、佐助、何故ここに織田軍がいる』
『そろそろあちらさんも来るだろうとは思っていたんだが、まさかこっちと同時とはな~』
『謙信様、信玄様、聞くまでもないと思いますがどうしますか?もうすでに十分な騒動になっていると思いますが……』
『敵を目の前にしてこのまま引けるわけがないだろう』
『天女は幸に任せてあるから大丈夫だろう。ちょっと予定が狂ってきたが俺たちは北条と織田信長の2人の首を狙う。佐助もそれでいいな?』
『そう言うと思いました。もう止めませんからどうせなら思いっきり暴れて下さい』
ここまで言われたら佐助がどんなに反対しても止められないのはわかっている。
『ではまずは邪魔な北条から斬るとするか』
『織田軍は一旦置いといてこのまま城の中を目指すぞ』
3人は織田軍がまだ来ていない城の東側に回り、北条の兵と戦いながら城内への侵入を目指して足を進めて行った。