第13章 それぞれの戦い
『すぐに両方に兵を向かわせろ。城の中には一歩も入れるな!』
氏政はそう言うと銃と刀を持ち直美の腕を掴んで部屋を飛び出し、廊下にいる幸村に着いてくる様指示を出す。
(騒ぎが起きている隙に逃げるって話だけど、この状態じゃ今はまだ無理だよね)
直美が不安そうに幸村の顔を見ると、すぐに考えを察してくれた様で軽く頷いてくれた。
(同時に織田軍が来るなんて聞いてねー。だけどまだこっちは動ける状態じゃねーし、しばらく様子見だな)
氏政は銃を持っている。
だから簡単には逃げられない。
今は言う事に従うしかなかった。