【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第2章 【一月三十日 辰二つ】〜三成くんの御殿に向かえ!〜
「うぅううう…!!寒いっ」
「ちょっと、声に出しても寒いのは変わらないんだからね。きびきび歩いて早く温かいところに行くよ、千花」
私と家康は、秀吉さんの出す指令…
もとい対決、を終え。
さくさくと時折日陰に残った霜柱を踏みしめながら、次の目的地である三成くんの御殿へと向かっていた。
「…え?さっきのあれって、佐助くんじゃなくて秀吉さんが考えてたってこと?」
「多分…だけど。秀吉さんの態度や喋り方が、何となく最初から知ってるような感じ、だったでしょ」
「んん…そう言われてみれば、そうかもしれない」
秀吉さんとのやりとりを、時折文句を挟みながら振り返る。
――まさか秀吉さんがあの小っ恥ずかしい対決の内容を考えていたかもしれないなんて、思いもよらなかったけれど。
「まぁ、何はともあれ楽しかったねー!」
「…楽しい?あんたが楽しかったなら、いい、けど…多分一生忘れない、悪い意味で」
「…あれ?楽しそうに見えたけど、楽しんでなかった?」
「何より恥が先に立って、楽しむどころじゃ無かったよ…」
思い出してしまったのか、少し顔を赤らめる家康に。
甘やかなやり取りが思い出されて、私まで少し熱ばんでくる。
「ふふ、それは分からなくもないかな。今となって思い返してみたら楽しいけど…
やってる当時はただただ恥ずかしくて、爆発するかと思った!」
「ばくは、つ…しなくて良かったよ。
…ったく、寄って集って面倒な事を考えつくもんだね」