【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第7章 【一月三十一日 夜半】~祭りの後~
「あんたは何も悪くない、から」
「う、ん」
「いや…俺のためにって、やってくれたんなら…
今回ばかりは、誰も悪くないのかもね」
思いもよらない家康の言葉に、千花が目を丸くして見つめる。
「悪くない、感じ?」
「…そうだね」
「男の浪漫?」
「ろまん?」
「夢とか憧れ?みたいな…?」
「…ああ、そうかもね」
家康の肯定の言葉に、千花は一層目を見開き。
ぱちぱちと瞬きをしてから、心底嬉しそうに笑って。
また、家康の胸元へと顔を埋めた。
「ふふ、家康もアブノーマルだぁ」
分からない言葉ではあった、けれど。
何となく通じた気がして、その意味は聞かないまま。
家康は千花の肩を掴み、自らと引き離すようにその身を起こす――
「…いえやす、あの、」
ぐるり、と。
身体の上を一周するように、家康の目線が動く。
その目線から逃げるように、身を捩じらせる千花の手を取り、指を絡める。
「何、くれたんならもう俺の物なんでしょ…千花」
その言葉に、たまらなくなって。
千花が目を固く瞑ったのが、始まりの合図かのように。
いつもは引かれていない紅に誘われるように、家康が千花に口づけた――