【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第5章 【一月三十一日 夕刻】~宴本番、その前に~
だけどまずは、と。
今回ばたばたするから無くしちゃいけない、と部屋に置いていた、家康に貰った簪で景気づけに髪を結い。
これまた家康に貰った、御守りのようになっている匂い袋を
袖口に忍ばせた。
私は貴方のものだと、貴方は私のものだと。
そう、いつも思い出させてくれる――
「つるさん、お着替えは自分でしますね」
「左様ですか?勿論、構いませんが…」
「ふふ、なんだかそういう気分なんです。
…でも一つ、別のこと。
つるさんにお願いしておいても、良いですか」
何なりと、と答えてくれるつるさん。
私は恥ずかしさを堪え、とある「お願い」を伝える…
つるさんは少し驚いた顔の後、全てを見通しているような、まるで母親のような優しい笑顔を浮かべたのだった。