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【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~

第5章 【一月三十一日 夕刻】~宴本番、その前に~








「…ふぅ。なんだか、こっちの方が自分の部屋って感じ、なんだよね」







お風呂上がりのほこほことした気分のまま、私は随分と久しぶりに感じられる自分の部屋をぐるり、と見回した。
タイムスリップして、元の世の自分の部屋をこれまた大層久しぶりに見てきたけれど。
もちろん楽しかったし、色々込み上げてくる物もあった、けれど。





常に付きまとう、ちゃんと戦国の世に帰れるのかという不安。
ついてきてくれた信長様や光秀さん、佐助君、そして家康を、こちらに帰してあげられてよかった、と…戻ってきてまず感じたのは、安堵の気持ちだった。





城に戻ったら、宴の準備をする!と張り切っていたのに。
秀吉さんや政宗、三成くんに宴まではゆっくりしろ、と諫められ。
ひとまず着替えと湯浴みだな、とそれぞれの部屋に解散になり、今に至る訳だが――











先ほどからちらちらと視界の端で自己主張する、真っ白な箱にいよいよ、向き合う。
元の世へと飛ぶ前に佐助君から聞かされていた、謙信様が用意してくれたという…蓋をそっと、開けてみる。



南蛮から取り寄せた物らしく、仰々しい包みに覆われている所を、一つずつ除けて。
どきどきと、煩く感じられるほど高鳴る鼓動に合わせて、最後の薄紙をそっと開く。









そこには、彼…佐助君の言葉通り。
真紅に艶めく、肌触りのよさそうな天鵞絨の一枚布が入っていた。




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