【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第3章 【一月三十日 巳の刻】〜三成くんの指令〜
寒い。
寒いって言うともっと寒い。
でも、寒い…っ!!!!!
なんてまたしても不毛なやり取りを、にこやかな三成くんに見守られながら。
何処ともしれない目的地を目指す。
どうやら、町外れに向かっているらしい――
段々と寂しくなっていく道程に気付きながら、ただ三成くんの後を付いて歩く。
「…そうでした、『指令』でしたね」
おもむろに、三成くんが忘れていたかのように呟いた。
思わず身構える私達に、彼はにっこりと笑って続ける。
「色々と、考えたのですが…
家康様と千花様が危ない目にあったりせず、何か事を起こそうと思うとなかなか難しく」
「…当然。
俺だけなら兎も角、千花がいるのに危険があるなんて論外だろ」
家康の言葉に不覚にもきゅん、としながら。
三成くんの指令、の続きをどきどきと待つ。
「精神的に追い詰めるのはどうか、という結論に至りました」
「せいしん、てき?」
「追い詰める、とは不穏な物言いだね…で、結局?何なの」
三成くんがくるり、とこちらを振り返り。
にこやかな、天使の様な笑みを浮かべる――
「お互いの一番好きな所、を教えて頂けますか?」