【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第1章 【プロローグ】年賀状と秘密の軍議
時は平成の世、元旦の朝。
私、さくちか は娘と犬が持ってきてくれた、年賀状の仕分けの作業に勤しんでいた。
隣では昨日の深酒が抜けきらない、イケメンとは程遠い主人の大いびき。
早く雑務を終わらせて、スマホを起動して癒されたい!と最速の動きで片付けていく。
「だんなさん、むすめ、むすめ…あたし、だんなさん、むすめ?ちょ、むすめちゃん!2歳なのにどんだけ年賀状貰うん!?人気者かて!」
関西人らしく、ツッコミを織り交ぜながら。
娘にたまに年賀状タワーを崩されあわあわしつつも、さて、最後の一枚、と。
差出人名のない表面から、裏面へと紙を捲る――
「あけましておめでとう。
そして、初めまして」
年賀状なのに、はじめまして?
そんな挨拶から始まる、達筆な文面を目で追っていく。
読んでいくうちに、どきどきと。
正月早々から、速まっていく動悸。
まずは、いきなり年賀状を送りつけた不躾をお詫びする。
突然の便りに酷く驚いている事だろうが、どうか最後まで内容をよく読んで欲しい。
貴女に年賀状と称してこの便りを送った訳は、今月の三十一日に予定している家康公の誕生日を盛大にお祝いしたいからに他ならない。
以前、家康公のクリスマスをプロデュースしてくれた三人を貴女は御存知の事だろう。
今回貴女に便りを出したのは、クリスマスプロデュースをしてくれた3人と貴女、そしてもう一人を交えた5人で、家康公の誕生祭を大いに盛り上げて欲しいというその依頼の為だ。
突然の指名に、さぞかし貴女は驚いている事だと思う。
俺は、天邪鬼愛が強い君ならば、家康公の誕生日を一緒に盛り上げてくれると確信している。
詳しい話は、後日またメールする。
差出人『猿飛佐助(-□Д□-)』