• テキストサイズ

【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜

第2章 【現代 平成30年1月30日12時】〜はじまりの時間〜




そこから色違いの花柄マグカップを二つ、そして、コーヒー用にカップとソーサーをひとセット取り出して、先に出しておいたトレイの上に並べる。


まず最初に、ドリップパックコーヒーにお湯を注げば、湯気とともに漂う挽きたての豆の香ばしい、少しほろ苦い香りが鼻を擽る。

次に、マグカップにホット生姜の原液をスプーン二杯分ぐらい入れて、ミルク入りココアの粉も入れて、カップの八分目より少なめにお湯を注いだ。

簡単な後片付けをした後。

飲み物をこぼさないように気をつけて、胸前に押し当てるようにして安定させて、私は両手でトレイを持つ。


1DKの間取り。


居間と寝室を兼用した八畳の部屋と、割と広めのダイニングキッチンの間に可動式のパーテーション。全開放したり、半開放したり、完全にワンルームと、ダイニングキッチンの空間を分けたり、好きなように仕切りが出来る。


今は、扉を半分開けた状態。



「……これは、何だ」


「俺に聞かないで下さい。でも、大事な物みたいですね。薄い布を被せてあるぐらいですから」



パーテーションに近づくと、
必然と聞こえてきた二人の会話。




(え?薄い布?)




思わずトレイを持ったまま、立ち止まる。するとカサカサとした音が聞こえ……



「中が良く見えん。家康。……あけろ」


「勝手にあけて、怒られるの俺なんですけど」


「フッ。貴様、気にはならんのか?大事にしまってあるという事は、時を越えて来る前の……男絡みの物かもしれんぞ」



「へ?……」




(え!!)



信長様の言葉にハッとして、



「そ、そんな物は一切有りません!」



慌てて声を上げる。


クローゼットの前に立っていた二人。

急に現れた私に、家康はビックリしたように目を開く横で、信長様はニヤリと口角を上げ、「図星か?」と含み笑い。


信長さまが触れていた洋服カバーを見て、家康が言っていた薄い布の正体がわかり……



「それは制服っていう、衣装です。決して、信長さまが言われているような、代物ではありませんっ」



語尾の言葉を強調して答える。


どんな物を想像していたかは分からないけど、家康に変な誤解をして欲しくない。



/ 79ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp