【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第2章 【現代 平成30年1月30日12時】〜はじまりの時間〜
ぬくもりに包まれた昼下がり___
パンフレットを見ながら、苺狩りの事を光秀に説明しながら歩いていた佐助。その前方から歩いてくる二人の人影。
それは、道の端で……
「自分からしつこく聞いておいて、何で赤くなってんの?」
「だ、だって///急に耳元で、か、か、可愛かっ……///とか言うからっ///」
仲良く手を繋ぎ、寒さなど感じないほど寄り添いながら歩く、コンビニ帰りのひまりと家康の二人だった。
そして、
佐助と光秀、家康とひまりの四人は……
「「あ!!」」
家の前付近で、
ばったりと鉢合わせした。
時は、少し前に遡る__
寒空の下。
光秀さんと佐助くん二人が、
買い物に出るのを……
「いってらっしゃーい」
私達、三人は家の前で見送る。
「光秀さんと佐助くんが買い出しに行ってくれたから、安心ですね!信長さまは、お留守番で良かったのですか?」
「家康だけでは、昼間から何をしでかすか分からんからな」
「信長さまこそ、昼間から変な想像して邪魔するの。……やめて貰えます」
ニヤリと笑う信長さまとは正反対に、
ムスッとする家康。
「???」
そんな二人のやり取りにキョトンしながら家の中へ戻り、他愛のない会話を続け、暫く経った頃、何か飲み物を用意しようと思い、私はキッチンへ移動。
久々に立つ、家のキッチン。
長い時間、戦国時代にいた所為か電化製品の便利さを改めて実感。電気ケトルのお湯が沸くスピード。コポコポと沸騰する早さに思わず驚く。すると、カチッと自動的にスイッチが切れる音が、耳に届いた。
(ん〜……信長さまはコーヒーで。家康は、ホット生姜にしようかな?そして私はココアっと)
人差し指を顎に添え、暫く小首を傾げた後……ガサゴソと棚をあさる。
ドリップバックコーヒー。
ココア粉末。
それとまだ未開封の、
ホット生姜の原液ボトル。
どれも賞味期限が切れてないか、
しっかりと確かめた。
(後で、ケーキをデコレーションする準備もしておかないとね)
ふんふんと、
軽い鼻歌を口ずさみながら……
ナチュラルテイストの、
木目調の小さなカップボード。