【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第11章 【あとがき】
平成三十年、一月三日
テレビから流れるお正月番組。
こたつにみかんが定番の所、ぽりぽりと相変わらず苺ポッキーを頬張る苺まるけ。
「……えっと、リモコンは……あった!……って!これ携帯!!」
ただでさえ日頃のお間抜けがエスカレートした、お正月。元旦は、近所の神社へ参拝。二日目は家族で初売りに行き、三日目にしてやっと憧れの寝正月。
リモコンと間違えた携帯の画面を、
何となくぼっーと見ていると……
パッと画面が光り、
一件のメールが届く。
(……何だろう。…えっと…ん???)
メールの内容が最初は頭に入らず、しばらく放心状態。首を左右に傾げ、何故か気合いを入れ直してもう一度、読んだ瞬間。
「!!!?!?!?」
目を見張った!!
届いたメールの内容……
『今回のコラボは、リレー式。
君の担当は
織田信長×苺×現代
テーマは
ケーキ、スプーン、リボン
よろしくお願いするよ。
猿飛佐助』
携帯を持つ手がぷるぷると震える。
「リレー!!もしかして!書きながら走るのーっ!?私、がちで遅いんだけどっ!」
完全に頭が『リレー』の部分に持っていかれ執筆しながらどうやって走るんだと、誰かの的確な鋭い突っ込みが必要なほど自分の運動音痴を心配する。
すると……
プルルルル、プルルルル……
バトン練習をしようと握りしめていた携帯。それから長めの着信音が鳴り出す。
画面に表示名『猿飛佐助』
「今!愛のバトン練習してます!」
「そうですか、やはり……電話して良かった。猿飛佐助です。先程のメールだけでは、わからないと思いましたので、電話にて詳しくお伝えしにきました。落ち着いて聞いてください……」
「え?……あ!リレー式ね!ま、待って下さい!今しっかりとメモします!!」
的確な突っ込みを貰い、ようやく頭が回転。佐助の淡々と話す説明をしっかり集中して聴き、ノートに綴る。
「………以上です。では、その内容でお願いします」
プーップッー。
「え?これって……って!?わぁ!切れた!!」
聞きたいことがあったが、もう声は帰ってこない。苺まるけは、カレンダーの前に移動すると……
「家康さま……よし!!やるぞーっ!」
綴ったノートを抱き締め、
笑顔で気合いを入れた。