第10章  【真紅の水仙】〜誕生祭⑤〜後編※R18

真紅の天鵞絨が衣擦れの音を立て、
床に落ちる。

私達は何も纒わない、
生まれた時と同じ姿になると……

褥の上で、
もつれ合うように倒れこみ……


「……優しくして…ね？」

「今夜はとことん甘やかすつもり」


自分をね。


「…い、えや、すの、肌あつい……」

「ちゃんと受け止めなよ。どんな俺も……」


翡翠色の瞳に見つめられ、
私はコクリと頷く。

私達は互いに深く繋がりたいと願っていることを、指を絡め、視線を絡め、肌の体温で確認し合うと……



「……大好きだよ。どんな家康も……そのままの家康が……」



優しくて意地悪で、
天邪鬼な貴方が………。


細身でもしっかりと引き締まった逞しい身体に向かって、私は両手を広げた。


「あっ……こっち、も…あつい…」

「……っ…！…それは、こっちの台詞」


限界まで膨れ上がった欲望。
それをくちゅりという水音と共に家康は奥へと自身を進めていく。何度も絶頂を迎えたナカはすぐに欲望に絡み付き、キュウキュウと締め上げた。


ぐちゅ、…ぐちゅぐ…じゅ……

繋がった部分から卑猥な音が、
私達を追い詰める。


「はぁっ…んっ、！激し…いっ…あぁ…っ……」


「ほら、っ…優しくしてっ…欲しいんでしょ？」


家康は天邪鬼な台詞を吐きながら、私の腰を右手でグッと掴み、繋いだ手に力を込め、激しい律動を繰り返す。


「は、はぁっ……あ、っんあ、ぁっん！」


家康は腰の動きを少し緩めると、今度は上下に揺れる胸に吸い付き、巧みな指づかいで繋がった部分の上にある蕾を刺激して、私の口から恥ずかしい台詞を出させる。


「ひやぁ…んっ！…そ、そこっい、..弄りながら......っ......突いちゃ......だめぇっ！…」


「ほら……もっと気持ち良くて困ってる顔…見せてよ」


見つめられ……
直視される度に私は羞恥心を捨て乱れていく。


それに家康は堪らなく興奮するみたいで、ぱんぱんになるほど欲望を昂らせた。