【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第10章 【真紅の水仙】〜誕生祭⑤〜後編※R18
息継ぎも許さないというように、角度を変えて何度も何度も降り注ぐ口付けに、私は堪らず甘美の声を漏らす。家康は更に追い込むように、甘さを含んだ低い声で名前を呼び続けて、下唇をやんわりと甘噛みしてくる。
(クラクラしてきた……)
体内に入っていた微酒。
それが激しい口付に反応したみたいに、
途端に酔いが回りはじめ……
「はぁっ………」
私の脚はついに役に立たなくなり、気が抜けたようにガクンと崩れ落ちる直前。家康が腰元を支えてくれて、その場にそっと下ろしてくれた。
ペタリと座り込み……
「………一体。何隠してるの」
「はぁっ…はっ…隠してるわけじゃ……ちょっと心の準備が……」
襟元だけはしっかりと合わせ、
俯いて答える。
それが余計に不信感を抱いたのか、
家康は覆いかぶさると鋭い視線を放つ。
「ま、まって!」
「………ひまりが言ったんでしょ?……たまには、自分自身に贈り物しなって……」
この贈り物は……
たまにじゃないけどね。
荒い呼吸を整える間も無く、おぼつかない足取りでずりずりと後ずさる私にそう告げた。床を擦るぐらい伸ばした髪。家康は優しい手つきで一房掬い、口元に近づけると……
「もう……逃さないよ」
縫い付けられた視線。
ゾクッ…。
真っ直ぐに自分に向けられた翡翠の瞳。一瞬で射抜かれたように私は動けないでいると、家康はその隙を狙い寝着を肩から外し、そして素早く両手首を頭上で拘束され、その場に組み敷かれた時……
カタッ。
近くに積んであった数々の贈り物。
その荷物から木箱が落ち蓋が開いた。
月明かりが照らした二つの真紅。
一つはスプーンの取っ手に付いた、
小さなリボン。
そして……
「………………え」
もう一つは……
「み……な、いで………//////」
ほんのり朱色に色づいた裸体に、巻き付いた大きな天鵞絨のリボン。
ゴクッ。
私の姿に家康は目を見張り、部屋に響き渡るほど喉音を鳴らして唾を呑み込むと、暫く固まったように沈黙した。