【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第10章 【真紅の水仙】〜誕生祭⑤〜後編※R18
すぐに短い音を立て、唇が離れた。鼻先が擦れるぐらいの距離で薄っすらと目を開ければ、丸みをなぞるようにゆっくりと顎を掬われて……
「………たっぷり甘やかすよ。俺自身を……少しも我慢せずに…ね…」
ちゅっ。
さっきの口づけで濡れた唇。そこに家康は宣言するとスッと睫毛を持ち上げ……
何かを秘めたような目を、
私に視線に絡ませる。
「い、えや…す……」
翡翠の瞳の奥に隠された熱。それが瞬きする一瞬の間に見えた気がして、私はたどたどしく名前を呼び瞳を少し不安げに揺らす。すると再び唇を奪われ、家康は今度強めに自身の唇を押し当てた。
ピクンッ……
「……んっ……ぁ……」
私はたちまち吐息を漏らして身をよじる。舌先を動かして絡めとられる前に無意識に引っ込めようとするけれど、家康は逃してはくれない。更に深く口付けられて、 後頭部に掴まれて、背中の曲線に沿うように撫で上げられ……
(……立って…られな…い)
家康の早まる気持ちと熱。それが動き一つ一つから伝わる。
腰元に回っていた右手が動き……
先を急ぐように素早く腰紐を解かれた。
はらり……
「んんっ!………」
口付けに翻弄され、頭が真っ白になりかけていた私は、ある事を忘れかけ、思わず目をぱちりと開ける。
きつく結んでいた筈の腰紐。それが家康の手により呆気なく解かれてしまい、慌てて目前にある硬い胸板をトントン叩く。
「ま、待って!……ちょっと待って!」
顔を横に逸らし、
繋がっていた唇を離す。
慌ててはだけた襟元を掴み、
腕を胸の前で交差すると、後ずさり……
「……何?急に……」
「えっと///そ、の……///」
少し不機嫌そうにも聞こえた家康の声。それに焦りつつ私はもごもごと口を動かして、戸惑い、赤面。
(やっぱり無理っ///)
此の期に及んで、
とてつもない恥ずかしいさに襲われ……
「……へ、部屋……寒くない?///」
「……全然。……寧ろ熱いぐらい」
襟合わせをギュッと掴み、
少しふわつく足で、じりじりと後ろに下がる。