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【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜

第6章 【現代 平成30年1月31日12時】〜思い出の時間〜




ひまりは目を閉じ、
そっとスカートのポケットに触れた。

いよいよ二人は、最後のデコレーションに取り掛かる。生クリームを絞り袋に入れ、苺を乗せ、チョコプレートにチョコペンでメッセージ。


「あ!ふふっ!信長さま、ほっ…ぺに……ふふふっ」


「貴様っ///何を笑っている」


訝しげに眉を顰めた信長の頬に付いた、生クリーム。そのギャップにひまりはますます晴れやかな笑い声を、キッチンに響かせた。


「動いちゃだめですよっ!ふふっ!今、取りますから」


「こ、こら。どこを触って……っ///」


ガタンッ!


そして、それをパーテーション越しに聞いていた家康。さっきから楽しげな声に一喜一憂、頭と心中をモヤつかせ部屋の中を落ち着かず、立ったり、座ったり、うろうろを繰り返す。



それを見兼ねた光秀。


「くくくっ。そんなに気になるのなら、覗いて確認しろ」


「べ、別に気にしてませんから」


部屋の中に居るのは、光秀と家康のみ。佐助はベランダに出て、正確にワームホールが出現する時間が予想できない為、眼鏡の奥で目を光らせ空を見上げていた。


「いつでも出れる準備はしておけ。行きと同じ場所に現れるとも限らないようだからな」


「わかってます」


そう返事をして、クローゼットにふと視線を向けた家康。折れ扉が僅かに開いていることに気づく。それは、慌てて信長のエプロンを取りに来たひまりが、しっかりと閉め忘れたのが原因。


(……ほんと、そそっかしい)


閉めようとクローゼットに近づき、手を伸ばした家康。光秀は背後からそれを見て、少し揶揄って気でも紛らわせてやろうかと企む。


「家康。開けて、三段目を見てみろ。昨夜の騒動の理由がわかるぞ。くくっ」


「昨夜の………?」


涙目で自分にしがみ付いてきたひまりを思い出し、何となく試されているように感じながら、誘惑に負け家康はついに乙女の秘密を見てしまった。


そしてそれが、
悪魔の囁きだったように……


「ケーキ!完成したよ!!」

「皆さん!!ワームホールが出現しました!」

「ねえ。……これ、何?」


ピラッ。


「きやぁぁぁああああ!!/////////」


「くくくっ……」

「貴様らっ!痴話喧嘩してる暇などないぞ!」



大騒動が始まる。




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