【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第1章 【プロローグ】
読み終わった途端……
パン!!
クラッカーを鳴らしたような、
乾いた音が辺りに響き……
年賀状からもくもくと、白い煙。
「ごほっ!ごほっ……!!な、な、な、何っー!」
そう叫んだ時、どこからか……
『詳細はまたメールする。
今年もいい年にしよう。じゃ頼んだよ』
さぁー……。
辺りに吹き込んだ風。
それに乗るように声が耳に届き、
跡形もなく年賀状は消えた。
「え!?ま、待って!私、物覚え悪いのにーっ!」
ただでさえ、日ごろのお間抜けが加速しやすい、お正月。急いで、家の中に駆け込む。リビングの壁に掛けてあるカレンダー。すでに、『家康様お誕生日』と書かれハートマークが付いている日付。そこに、『素敵なコラボ』と付け足し……
(今年も素敵な年になりそう!)
一人ガッツポーズをして、笑う。
新年早々、
こうして物語がはじまった。
一月三十一日。
愛してやまない。
徳川家康の誕生日に、向けて……。