【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第3章 【現代 平成30年1月30日14時】〜留守番の時間〜
もはや安土城で行われていた、
誕生日の秘密会議並みに、本格的に計画を練り始めた時だ。
キランッ!
閃きがあったように、
佐助のフレームが光り輝く。
本来は苺を入手する為に学割を使わせたが、これを使わない手はないと考え、佐助と光秀はテレビに背を向け、ソファーに座る信長の方に向き直り、普段の癖が抜けないのか、二人とも片膝を付け畏まった。
「ひまりさんは恐らく、今頃気づいているでしょう。まだ気づいていない場合は、ここで気付かせるとして……」
家康が相手だとそうはいかないが、ひまりの場合だと単純な方法のが効果的だと踏み、作戦を用意。
名付けて、煽てる作戦。
もはや作戦とは呼べないものだが……
学生じゃないのにーっ!と、騒ぐひまりに、まだ全然イケる!高校生に見える!何なら制服を着て見せてくれ!作戦。
「くっくっ……」
「そのような台詞を吐けと言うのか?」
「お二人は普段どおり大丈夫です」
三人の視線は、
自然とクローゼットに動く。
そして……
『必ず、いつか君を迎えに来る!」
次は声を張り上げた真剣な男の声に反応して、再びテレビ画面へと視線を戻す。
『忘れたくない……大切にしたいのっ』
『二人で心のアルバムに、この時を刻んでいこう』
突如、上がった音声ボリューム。
「実に青春。感動です」
「くっ。……ならば、もう少し表情を緩めろ」
愛を深める涙ぐましい感動シーンに、佐助は無表情のままリモコンを片手に、深い頷きを繰り返す。隣に座る光秀は、佐助のちぐはぐな言動を揶揄いながら、愉しげに喉を転がしていた。
(この時を刻むか……)
信長はフッと軽い息を吐く。制服にますます興味が湧き、今すぐ見てみたい衝動に駆られるが、そこはぐっと堪え、ひまりとの約束は守りたいと、ひまり自身の手であそこを開けさすしかないと、考えていた。