【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第2章 【現代 平成30年1月30日12時】〜はじまりの時間〜
そして……
「暫く、休む。先ほど顔を赤らめていた理由を、家康にしつこく聞いてやれ」
そう言って、ソファの脇に寄りかかり瞼を落としたのは……きっと信長さまなりの、温かい優しさだったのかもしれない。
冷たい風が頬を掠める。
私達は手を繋いで、徒歩三分の道のりをたっぷり時間をかけて歩く。
「ねぇ?どうして、さっき顔が赤かったの?」
「……っと。余計な事を///」
そんな会話をしながら、
コンビニでおにぎりと飲み物を購入。
その帰り道で……
「「あ!!」」
前方から歩いてきた、
佐助くんと光秀さんにばったり会って。
___今に至る。
「……えっ!?苺が売り切れ!?」
佐助くんから苺が売り切れていた事を聞き、私は素っ頓狂な声を上げ、焦りだす。
「そんなに、無いとだめなの?」
「ううん。だめって訳じゃ……」
私は俯きながら言葉を濁す。それから口を閉ざして、シュンと肩を落とすと、眉をくにゃりと寄せた。
ずっと、繋いでいた手。
それを無意識に、
ぎゅっと握り返していたみたいで……
「ひまり?」
家康は心配そうに私の顔を覗き込んで、声をかけてくれる。ハッとして慌てて、何でもないよ!と、顔を上げ頬に笑みを浮かべるけど……心中はちょっと曇り気味。
(ここまで来たんだもん。折角なら、真っ赤な苺の乗ったケーキで、家康の誕生日をお祝いしてあげたい)
苺はケーキを彩るトッピング。
あると無いとでは、見た目も味も随分と変わってしまう。でも、佐助くんと光秀さんの両手に握られた大荷物を見て、私を首をゆっくりと振り、二人に買い物をして来て貰ったお礼を言うと……
スッ……
「入手を別の方法で考えたから、大丈夫。まずは、これを見て欲しい」
佐助くんが差し出したのは、
一枚のパンフレット。
旅行代理店に足を運んで貰って来てくれた、日帰り苺狩りツアーのパンフレットと、申込書だった。
「ある特典で、苺が1パック付いてくる。今なら、まだ席に空きがあるみたいだ」
「え?ある特典??」
「取り敢えず、急いだほうが良いって事だよね?なら、行くよ」
「う、うん」
家康は持っていたコンビ二袋から、手早く二人分のおにぎりと飲み物を取り出すと、残りを佐助くんに渡す。