【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第2章 【現代 平成30年1月30日12時】〜はじまりの時間〜
お腹にも優しいし、寒い時期でも、身体が芯から温まるから一石二鳥。
「あんまり、見られると飲みにくいんだけど……」
「ふふっ。どうかな?って思って?」
慎重に口に運ぶ横顔。
ゴクリと喉が鳴るのを聞いてから、美味しい?と、尋ねる。
「……普通に美味しいけど」
「本当?なら、戻ってからも作ってあげるね!」
「作れるの?」
「はちみつがないから、全く同じのは無理かもしれないけど。でも、違う甘味料があれば作れると思う」
家康は辛味が好きだから、
生姜だけでも大丈夫かも。
そんな事を考えながら私も、花柄ピンクのマグカップを両手で持ち、ふぅふぅとココアを軽く冷ましていると……ふと視線を感じて、カップに口を付けたまま、チラッと上を向く。
すると、
家康はピクッと肩を揺らして……
「どうしたの?」
「……何でもない」
何事もなかったように、
ボソッと呟いて視線を逸らす。
「でも、ちょっと顔が赤いような……」
「……っ///コレ飲んだからじゃない」
覗き込むように私が顔を近づけると、口元を手で覆ってそっぼを向いてしまった。
(生姜効果であったまったのかな?)
ご馳走様。そう言って、空になったマグカップをテーブルにコトリと置く横顔の耳は真っ赤。
「くっ。家康……。少しは、素直になれ。俺の前では、戯れにくいのか?」
「何の話です。それより、お腹減った」
「フッ。誤魔化したな。まぁ、良い」
時計を見れば、時刻は十二時前。
一番近いコンビニでおにぎりでも買ってこようと、私は鞄を掴む。
「待ってて!すぐ近くだから」
「……俺も一緒に行く」
そう言って、スクッと立ち上がる家康。でも、それだと信長さまが一人になってしまう。本当にすぐ近くだからって、遠慮すると……
「用心棒代わりに連れていけ」
信長さまは、光秀さんと佐助くんが帰ってきた場合を想定して、お留守番を申し出てくれた。ふと部屋から出る前にさっきの出来事を思い出して、チラッとクローゼットに視線を向けると……
「安心しろ。約束は守ってやる」
「ふふっ。お願いしますね?」
信長さまには、
見透かされてしまったみたい。