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連れ立って歩く 其の五 木の葉編 ー干柿鬼鮫ー

第9章 年始ー長丁場ー



綺麗に芯を残して食べ終わった林檎の芯に目を走らせて、いのが呆れた声を出す。

「俺に言われたくねえ?何でだよ」

「えぇ?いちゃついてんのはそっちでしょ?ふ。いや、いいの、いいのよ。久し振りに会ったんだし?やっぱ嬉しいわよねー。わかるわかる。いいのよ。そういうの、アタシ嫌いじゃないし」

「そういうの?どういうのだよ?」

「…頭良くても馬鹿っているよね。アンタ見てるとホントそう思うわ」

「馬鹿で結構だ。おめぇの言うことはたまに本当に訳が分からねえんだよな。面倒くせぇ」

「アンタって男は毎年毎年行く年来る年面倒くせぇに始まって面倒くせぇに終わってるわね。勿論中身も面倒くせぇでぎっちぎち。春夏秋冬面倒くせえに彩られ過ぎ。ちょっと改めたらどうなのよ」

「余計な世話だ。面倒くせぇ」

「まだ言うか。気付いてないだろうから教えてあげるけど、アンタのその面倒くせぇってのナルトのだってばよと並んでネタになってるからね」

「…ネタ…?だってばよと一緒に?」

「ネタじゃん。シカマルと言えば面倒くせぇ、面倒くせぇと言えばシカマル。何言っても面倒くせぇ、何やらせても面倒くせぇ。面倒くせぇの国の面倒くせぇ人かっつの。ガリバー旅行記もびっくりの万国博覧会だわ」

「…確かに我ながら面倒くせぇ面倒くせぇ言い過ぎてんなとは思う…。そこは否定しねえ。否定しねえがだってばよと一緒くたにされるのは納得いかねえ。訂正しろ」

「アタシが訂正して何になるってのよ。ネタにして喜んでんのはアタシじゃないの。止めても止まらない他の連中なの。アタシだってチーム組んでる幼馴染が笑われて居た堪れない思いしてんのだからね!?アンタの面倒くせえはもう一人歩きし始めちゃってるんだよ。言ったら面倒くせぇは独立国家として成立しちゃってんのよ。第二のシーランド公国ばりに!ちゃんと統治すんのよ?アンタ王様なんだから」

「王様って何だ。下らねえこと言いやがって。大体シーランド公国なんて公に認められてねぇ似非国家じゃねぇか」

「アンタの国なんかそんなモンよ。面倒くせぇ国がロクなモンな筈ないじゃない」

「面倒くせぇのがやだから面倒くせぇって言ってんのに何でそんなロクでもねぇ面倒な国の面倒みなきゃねぇんだよ。面倒くせぇ。面倒くささで死ぬぞ、俺は」

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