第2章 砂
「アンタだってこんなんなったら死にたくなんねえか!?なると思うよ!?ならない男は認めないよ、俺は!」
「いや、私はそもそもそんな安易な場所に自分の弱みを隠したりませんからね」
「悪かったな!色々簡単でよ!ヤな感じ!」
「ほう。激おこプンプンですね」
「うむ。激おこプンプンじゃな」
「ぎゃはははははは!げ、激おこプンプン…!激おこプンプンか、カンクロウ…ぎゃはは…げふッ、げほごほほッ、ぐぇほ…ッ、うぅごほ…ッ、ぅおえ…」
「…えづくまで笑うなよ…。命に関わんぞ、年考えて笑え」
「か、カンクロウ、この隠居殺しめ…ッ!ふ…はは…。ぎゃはははははははは…ぅえっほ…ッ」
「…いやもうマジ死ぬから。洒落になってねぇよ。年寄りの笑い死にとか見たくねぇし」
「若者の笑い死になら満更でない?」
「アンタはアンタでいちいち揚げ足取ってんじゃない!いい大人でしょうが!仮にも磯影でしょうが!コイツがアンタみたいに育ったらどうすんの!子供は大人を見て育つんだっつってんじゃん!?」
「…私みたいに育つ…?…………………それは厭ですねえ………」
「…凄い間だな。アンタも闇が深そうだな、おい…。大丈夫なのか?子育て応援しちゃおうか?え?」
「それは君が木の葉について来るという話ですか?」
「いや、別にそこまで…」
「お断りです。君はちょっと牡蠣殻にいい顔をしようとする節がありますからね。牡蠣殻が絆されでもしたら腹が立つ」
「何ソレ」
「"厭々輸血して人違いで手を握られた命の恩人"を売りに牡蠣殻に絡む気でしょう」
「何だ、その売り。全然命の恩人感ないとこにすげぇ悪意を感じんだけど、もしかして喧嘩売ってんの?」
「はあ。よくあんな棒に興味を持つものですね。全く気が知れない」
「棒って、おいコラ、言い過ぎだろ。気が知れねぇのはそっちじゃん。もしかして牡蠣殻はお嫌い?そんで腐してんの?一体何がしたいのよ、波平さんは」
「何って…牽制?」
「いや、俺に聞くなじゃん?答えねぇよ、俺は」
「答えてんじゃんぞ?」
「答えちゃってんじゃんじゃ」
「いい加減じゃんじゃん言うのに飽きてくんねえかな。相変わらず使い方間違えてるしよ」