第2章 後編
「ロー!!」
ローが飛び降りようとした瞬間、響き渡ってきた声。
その声に驚き振り返ると、そこにはユーリがいた。
朝日が昇り始めたのか、辺りが徐々に明るくなっていく。
「生きて!!」
光に照らされた彼女の瞳には、光が宿っていた。
鳴り響く銃声。
ユーリはローの元へ走っていった。
何発もの銃弾が彼女の身体を貫いて行く。
それでも彼女は止まらなかった。
「私が救った命を、勝手に捨てないでよ!」
ユーリはローへ突進するように抱きつくと、そのまま海へ落ちていった。
未だに驚いたような表情の彼。
そんなローにユーリは笑みを零すと、しっかりとローを抱きとめた。
交わる視線。
そこには、確かな光がローを映していた。
ーーー大丈夫。私を信じて
彼女はそうローに囁くと、二人一緒に海へと落ちていった。