第3章 宝石の国
フォス「ル〜チル〜」
ルチル「なんですか、また割れたんですか、全くなんど注意すれば…」
「あっ、あの、初めまして!シェルパールナイトと言います!」
ルチル「…新人ですか?それにしては言葉が喋れてますね…」
フォス「あー、その子海出身なんだ、パール!硬度三半!脆い!僕と同じでしかも3歳!ついに僕も大先輩〜☆」
ルチル「海出身…シェルパール…なるほど、フォスの脚と同じような生まれですか。なるほど興味深い…私はルチルクォーツ、ルチルと呼んでいただいて結構ですよ」
「ありがとうございますルチル。あの、事情があり故郷である海へ戻らなければいけないのですが…」
ルチル「ふむ…普通なら耐水樹脂を塗りますが、3年も海の中で暮らしたのなら要らないでしょうねぇ。逆にここにきてから変化は?私は医者なので何かあれば聞いてください」
「と、特にないです。」
ルチル「すぐ行くなら別ですが、白粉を塗りましょうか、目立っては月人に狙われやすいですからね。」
「白粉…」
パフ ポフ パフ… ツヤツヤと虹の光沢を放っていた肌が白くなって行く。なるほど。だからみんな髪以外白かったんだ。
ルチル「…はい、終わりです。3歳とはとても若いですね、海出身という事はこちらのことも知らないでしょう。先生から授業を受けたり、図書館へ行くのをお勧めします。」
図書館なんかもあるのかぁ…!紙なんて見たことないけど…本の話は聞いたことがあるから行ってみたいな…
ルチル「あっ、そうだ、シェルパールなら何の貝の内包物でできたかにも硬度に違いがでますよ。ぜひ確かめさせてください」
ルチルはそう言いながら笑顔で金槌を手に取った。
フォス「な?言ったろ?」ガシッ
フォス「逃げるが勝ちーーーーー!」ダダッ
「わわわっ!!」
ルチル「あっ!ちょっと!フォスーー!!…全く、せっかく新人の硬度靭性検査ができると思ったのに…残念ですね」
フォス「…よし!逃げ切った!よかったなー、先輩のおかげで砕かれずにすんだぞ〜!」
「あ、ありがとうございます?」
フォス「僕図書室行ったことないんだよね〜、だからさ、先生に授業してもらいなよ!みんなそうしてきたらしいし!!」
「そうなんですか…じゃあそうしようと思います。」
そうして、また先生に会いに行くことになった。
地上や月人の事、学ばないと。