第16章 男気見せるぜ
〜犬夜side〜
「はっ、はっ」
そろそろゴールだ。
華美さんは待ってくれているのだろうか。
あ、いた。
華美さんがゴールで待ってくれている。
なんて嬉しいんだろう。
少しペースを早めて走る。
「はぁ、はぁっ」
「〜〜〜!!!」
あれ?華美さんがなにかを叫んでいる。
いろんな声援に混じって、よく聞こえなかった。
だけど、応援してくれていることは様子からわかる。
「はぁ、はっ」
よし。
オレがゴールするとすぐに華美さんが飛んで来た。
「かっこよかった!」
そんなことを言いながら色々褒めてくれる華美さん。
「かっこいい…か」
嬉しいな。
かっこいいって思えてもらえた。
「ん?なんか言った?」
「いえ、何も。しいて言うなら、華美さんかわいいなーって!」
照れくさくて誤魔化した。
すると、華美さんは、照れながらオレのことをかっこよかったと言った。
「ありがとうございます、嬉しいです」
そう言って笑ったけど、照れていたのは内緒。