第16章 男気見せるぜ
〜華美side〜
何人かゴールしていく。
みんな早いや。
犬夜くんはもうすぐかな。
と思っていると、
「あっ」
犬夜くんが走ってきた。
「けっ、犬夜くん!がんばれー!!!」
精一杯の大声を出すが、周りの声援に混ざってしまった。
そして、犬夜くんはゴール。
私はすぐに犬夜くんに駆け寄った。
「おつかれさま!かっこよかったよ!犬夜くん!!」
「はぁ、華美、さん…ありがと…ございます…」
「うん、かっこよかった…」
「やっぱり犬夜くんはすごいね!」
「犬夜くんゴールするの早いし…」
とどんどん褒めてしまう。
だって、実際そうだったんだもん。
「へへっ、なんだかうれしいです」
「ーーー…か」
「ん?なんか言った?」
「いえ、何も。しいて言うなら、華美さんかわいいなーって!」
「え、い、いきなり?」
さすがにいきなり言われると動揺してしまう。
「ははっ、照れてますね、そういうとこも可愛いですよっ」
「〜っ、け、犬夜くんだって、、かっ、こよかったし…?」
犬夜くんを照れさせてみたかったけど、
「ありがとうございます、嬉しいです」
とにっこり笑っていた。