第16章 男気見せるぜ
〜華美side〜
疲れが取れる暇もなく、次のグループのスタートが始まった。
犬夜くんはいつごろゴールするのかな。
そう思いながら、遠くを眺める。
「おつかれっ!」
「あ、眞由美」
振り返ると、眞由美がいた。
「おつかれ」
「華美さ、いつもなら歩いて帰ってくるのに、旭野くんのおかげで、走りきれたんじゃない?」
「そうだと思う」
「いやー若いって良いねえ…」
「同い年だよ…」
とツッコミを入れて思い出す。
「って、眞由美の方が早く走りきってるじゃん。」
「それとこれは関係ないんだよ…」
「??」
なんだかよくわからないので、首を傾げる。
「それより、犬夜くんもうそろそろ帰ってくるんじゃない?」
「えっ、ほんと?」
「まぁ時間的にはそろそろだと思うよ」
「じゃあゴールの方に行ってくるね〜」
そう言って私はゴールへ向かった。