イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
「あのさ……なんで四つ葉が一つ、混じってるの…?」
「あ、もう気づきました?」
悪戯が見つかったみたいに、ぺろっと舌を出す香菜
「え?四つ葉?」
「なんだ。貴様は気づいてないのか?」
「陽菜の髪飾りにも、四つ葉が一つ混じってるけど」
「え!?そうなの!?」
陽菜が髪飾りを外して確認しようと、髪に手を伸ばしたのを、家康がやんわり止める。
「俺の楽しみ、とらないで。」
「へ?楽しみ?」
「ふふ♡あとで見つけてね。あと家康さん、四つ葉を混じってる意味ですけど、そのままの意味です。」
「は?そのまま?」
香菜の言葉に、家康はきょとんとする。
現代では、『四つ葉のクローバー』を見つけると、幸せが訪れると言われている。
だけど、見つけ出せる確率は、とてつもなく低いことを香菜は話した。
「たくさんの人がいるなかで、たった一人の相手を見つけ出す。これって滅多に見つからない、四つ葉みたいに思いません?」
「まぁ…確かに……」
「だから二人の飾りに、一つだけ四つ葉を入れたんです。運命の相手を見つけた二人には、幸せになってほしかったんで♪」
「っ…お姉ちゃん……」
香菜の話を聞いて、涙ぐむ陽菜。
「ほらほら、泣かないの。」
「まぁ、そう言うことだ。わかったか。」
黙って香菜の話を聞いていた信長は、家康に目を向け、その目にはいろんな想いを込める。
「わかりました。」
信長からの想いを感じ取った家康は、凛とした声で返事をした。
それを聞いた信長は満足そうに、口元に弧を描き
「なら、最後の祝いだ。」
そう言って立ち上がった信長は、陽菜の後ろにまわると
「うわっ!?」
陽菜の後ろ襟を掴み、
「貴様にくれてやる。」
とてつもなく意地悪な顔をして、陽菜を家康に押し付けた。