イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
四人の武将からのプレゼントを、バラバラにならないように、一ヵ所に纏め置いた家康。そして、気になっていたことを陽菜に聞く。
「ねぇ。そういえば、陽菜の髪飾り、少し気になってたんだけど……」
「ん?なに?」
「その髪飾り、ひと……」
「家康、陽菜。こっちに来い。」
陽菜に聞こうとした瞬間、信長の威厳ある声が、上座から届く。
「あ、後でもいい?信長様に呼ばれちゃったし……」
「大丈夫。行こうか。」
家康と陽菜は立ちあがり、信長が座る上座へと一緒に歩く。
上座には信長だけでなく、香菜も居て、信長にお酌をしているところだ。
「来たか。受けとれ」
信長は、自分の横に置かれている、たとう紙に目をやる。
たとう紙というだけで、贈り物の品が、着物だということがわかるが、針子の香菜から贈られるならまだわかるが、なぜ信長からなのだろうか……
家康は不思議に思いながらも、たとう紙の紐を解き、広げると
「……え…」
中には、五つ紋付き羽織袴、そして手紙と一粒の金米糖が入っていた。
まさかの贈り物に、家康は目を見開き、呆然として言葉が出ない。
そんな家康に信長は
「必ず着ろ」
たった一言。
それだけで、信長の言いたいことが伝わり
「っ……御意」
家康は返事をした。
そして、手紙と金米糖だけ手に取り、手紙は後で読もうと懐に入れ、金米糖を陽菜に渡して、たとう紙の紐をしっかりと結んだ。
結び終わると、
「そうだ。家康さん、胸に付けているの、取りましょうか?」
香菜から声をかけられる。
「え?あぁ……お願いする」
「はい。失礼しますね。あ、この胸元に付けさせてもらったのは、『ブートニア』って言って、現代の祝言では、男の人が付けるんです。ファーストバイトの話を聞いて、せっかくなら、お祝いとして付けてもらおうと思って作らせてもらいました♪」
「へぇ、そうなんだ。」
香菜の手が、家康の胸元に伸び、ブートニアの説明をしながら外し、外すと家康に渡した。
「(あれ…これも……)」
ブートニアを受け取って見た家康は、あることに気づき、そのことを香菜に聞く。