イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
「……ろくなもんじゃないだろうね…」
「はい!家康様のことを考えてご用意しました!」
「聞いてないし……」
そう言いながらも、家康は紙袋に手をいれ、入っているものを取り出すと
「……眼鏡…?」
「はい!竹で作った眼鏡です!竹で眼鏡の枠を作ってぎやまんをはめ込んでみました!」
「へぇー…竹で出来た眼鏡って、お洒落だね~♪」
陽菜は初めて、竹でも眼鏡が作れることを知った。家康も初めて知ったが、それよりも、三成の言葉にひっかかりを感じ……
「おい。お前の言い方、お前が作ったみたいに言ってるけど…」
「いえ!残念ですが、私にはこんな繊細な作業はできません。職人のかたが丁寧に作ってくださりました。」
「…だろうね。それを聞いて安心したよ。」
「っ!!喜んでいただけて何よりです!!」
「……もういい。仕方ないから貰っとく…。」
「っ!!ありがとうございます!!」
三成からの竹の眼鏡を袖口に仕舞った家康。それを見ていた三成は、ぱぁっと、キラキラしたエンジェルスマイルで、お礼を言った。
その光景を、秀吉と陽菜は、笑いながら見ていた。
秀吉と三成が離れると
「家康、お前に良いものをやろう。」
妖しい笑みを浮かべながら、家康の御膳前に座った光秀。
「はぁ……なんですか?」
腹のなかが読めない男、光秀が言う『良いもの』に、家康は警戒する。
「くく……そう警戒するな。俺からは、これを贈ろう。」
袖口から、色とりどりの飴玉が入ったガラス瓶を取り出し、二人に見せる。
「あ!飴玉!!いろんな色がある!」
綺麗な色の飴玉に、陽菜は瞳をキラキラさせて、前のめりな状態で、飴玉入りのガラス瓶を見る。
「この飴玉には、様々な効果が得られてな…。気を鎮めたい時や、疲れた時などに食べるとよいだろう。だが、食べすぎには……気を付けておけ。」
「はぁ……どうも。」
珍しく、秀吉みたいな注意まで言って、家康の膳の上にガラス瓶を置くと、光秀は自分の席に戻っていった。