イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
政宗がケーキを切り分けている間
「家康さん。俺からの誕生日の贈り物です。」
佐助が家康に声をかけ、懐から何かをとりだし、家康に見せると
「…………要らない。」
「そう、おっしゃらず。俺からのまきびし、受け取ってください。」
強引に家康の手をとった佐助。その上にまきびしを乗せる。
「ちょっと…っ………!」
「家康公が、俺のまきびしを使ってくれる日がいつか来るなんて……楽しみで仕方ない…!」
まきびしを渡して、すっかり満足した佐助は、家康が言おうとしたことを聞き流し、自分の席に戻っていった。
「(まきびしなんて、戦ぐらいでしか使わないでしょ……)」
家康が心のなかで突っ込むと……
「ほら、けーき切ってきたぞ。あと、これは俺から誕生日の祝いだ。開けてみろ。」
ケーキを切り分けた政宗が、家康と陽菜のところにケーキを置いたあと、ドン!と濃紺の風呂敷包みを家康の横に置いた政宗。言われた通り、風呂敷包みを解くと
香木、香炉、火道具一式のセットが包まれていた。
隣で一緒にプレゼントの中を見ていた陽菜。どれもが高価な物だと、素人目にしてもわかる。
話を聞くと、政宗の地元、奥州でオリジナルで作ったものらしい。
「(あれ、すごい色が綺麗だな~)」
一際綺麗な色をしたものに、目を惹かれる陽菜。
ジーッと見ていると、家康が風呂敷を包みだした。
「ありがとうございます。大事に使います。」
「おう。んじゃ、俺はけーき配ってくるわ。」
政宗と入れ違いに、秀吉と三成が家康にプレゼントを持ってくる。
「家康、俺たちもお前に祝いの品だ。」
秀吉から若葉色の風呂敷包みを渡され、また解いていくと
らんびき、薬瓶、製粉機、扇形製丸器など、家康が薬の調合に使う薬作りの道具一式、しかも、なかなか手に入らない珍しいものばかり。
これには家康も、驚きで目が見開く。
「………よく、こんなに珍しいの、用意できましたね」
「まぁな。この前、南蛮の商人が来たときに、買い付けたんだ。これで、薬作りの幅も広がるだろ。」
「はい。ありがとうございます」
「家康様、私からはこれです!」
秀吉からのプレゼントを、貰ったときみたいに風呂敷で包んでいると、三成から紙袋を渡された。