イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
「おーい!家康ーー!!」
家康の名を呼ぶ声に、家康と陽菜は声が聞こえる方へ顔を向けると、広間の入口から、政宗と佐助が並んで立っていて、二人とも手には何かを持っている。
二人は、家康と陽菜の元まで行くと、佐助は持っていた膳を床に置き、「失礼します。」と断って、家康と陽菜の御膳を少しずらして、二人の前に何も乗っていない膳を置いた。
そして、その上に、政宗は持っていたのを置く。
置かれたものは
陽菜と信長が、一生懸命作ったバースデーケーキ。
それに火が灯ったロウソクがささっている。
ケーキが運ばれると、全員が家康と陽菜の元へ集まる
「これ………」
丸いケーキの上と側面には、綺麗に生クリームが塗られ、円を縁取るように、苺と生クリームが交互に乗せられている。
そしてケーキの中央部分には、薄く切った苺をたくさん使って作った、大きな薔薇が飾られている。
その薔薇の前にホワイトチョコのチョコプレートが乗っていて、そのチョコプレートには
『家康!お誕生日おめでとう!!』
と、チョコペンで書かれた文字。
そして、間隔を開けながら、ケーキにささっている、色の付いた数本のロウソク。
家康はケーキを見て驚き、目を見開いて陽菜の方へ向くと
「まずは、火、消して。早く早くっ♪」
陽菜はニコニコ笑いながら、家康に火を消すように促す。
家康は戸惑いながらも、顔をケーキの方に少し近づけ
フーーー………
息を吹きかけ、ロウソクの火を消した。
パチパチパチパチ……!!!!
家康が火を消した瞬間、全員が拍手をして、家康へのお祝いの言葉をかけていく。
「「「おめでとう!!!」」」
「………ありがとう……ござい、ます…」
全員からのお祝いの言葉に、完全に恥ずかしさが勝り、ボソボソとお礼を言う家康。
「おめでとう!家康!」
家康の横で、誰よりも嬉しそうにお祝いの言葉を述べた陽菜。
「……ありがとう…陽菜……」
その表情を見て、家康の胸のなかは、嬉しさでいっぱいになった。