イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
広間に入ると、皆が晴れ着に着替えていて、全員が揃うと、すぐに家康のお祝いの宴が始まった。
「わ~♡美味しそ~~~♡」
政宗の作ったたくさんのご馳走。
家康と私がとってきた卵と鳥肉を、無駄なく使って料理をしている。
「(鶏さん……いただきます。)」
あのときに、生命の繋りと食べ物の大切さを、教えてもらい、手を合わせて、お箸で鶏料理に手をつける。
口に入れれば、柔らかく、でも弾力がしっかりある。それに政宗の料理の腕もプラスされて、あまりの美味しさに頬が落ちそうになり、頬に手をあてる。
「美味しそうに食べるね。」
「うん!すごく美味しいよ!家康も食べてみて!」
「ん、じゃあ…………あ、美味しい。」
「ねっ!美味しいよね♪」
鶏料理を口にした家康も、美味しさに、笑みをこぼす。
二人で、料理を食べながら、宝探しのことを話していると
「家康!飲んでるか!!」
秀吉さんが、私の右隣に座っている家康の肩に腕をまわして、お銚子を傾げてくる。
「ちょっと…秀吉さん、酒が溢れます。」
慌てて、溢れそうになったお酒を、杯で受け止めて、それを一気に飲み干した家康。
「秀吉さんもどうぞ」
「ん。頂くよ。」
お礼にと家康も秀吉さんに注いで、それを秀吉さんが飲み干すと、三人で、宝探しのときにした指令の話をしていた。
「にしても……家康が、あの最後の指令したときは……笑けたな。」
「ご安心を。いつか秀吉さんにもさせますから。」
「でも、あれ可愛かっ……いひゃいーー!」
「陽菜も、あれは忘れて。」
家康に頬をつねられて引っ張られて、忘れるように注意される。
「わふへふ、わふへふーー!(忘れる、忘れる)」
あまりの痛さに、「忘れる」を連発。やっと家康は手を離してくれて、私はつねられていた頬を手で擦る。
「こら。陽菜をいじめたら、香菜が怒るぞー。」
「別に、いじめてないでしょ……」
秀吉さんからのおとがめに、家康も軽く反論。三人で笑いながら楽しく話に華を咲かせた。