イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
「陽菜、着替えた?」
「……着替えたけど…」
現代の服から、お姉ちゃんが用意してくれていた、白地に梅の花があしらわれた着物に着替えた私。
返事をすると、お姉ちゃんは嬉しそうに、私の頭を撫でる。
「ふふ♡えらいえらい♪じゃあ髪の毛、弄るね~♪」
楽しそうに、器用に私の髪の毛をアレンジしていくお姉ちゃん。
「(なんであんなの……)」
ぶつぶつ心のなかで、文句を言いながら、お姉ちゃんがアレンジしていく、自分の髪の毛を黙って見る。
徐々にアレンジされていく髪の毛に目を奪われ、文句を思っていたことも、すっかり忘れる。
「はい!出来たよ!」
「す、すごい……」
前髪を左側に流して、右側の髪の毛で綺麗に編み込みして、その編み込みを、残った左側の髪の毛と一緒にギブソンタックで纏めあげた。
「仕上げに、これをつけて……うん!可愛い♡」
「わ~♪可愛い髪飾り!」
右耳の少し下あたりに、布製でたくさんの三つ葉と黄色い花があしらわれた、可愛い髪飾りをつけてくれた。
「この髪飾り、どうしたの?」
顔を動かしながら、鏡越しに、つけてくれた髪飾りを見る。すごく可愛いけど、私のものじゃないし、お姉ちゃんの私物だろうか……
「あ。それ私が作ったの。」
「へぇー、お姉ちゃんが作っ…………え!?作ったっ!?」
お姉ちゃんの自作だということに驚いて、鏡越しにお姉ちゃんを見る。
「うん。飾りの部分だけ作ったの。皆が現代に行ってた間に作ってたんだ。」
「……そうなんだ……。ありがとう!お姉ちゃん!」
「どういたしまして。ほら。そろそろ広間に行くよ。」
「うん!」
お姉ちゃんが作ってくれた、髪飾りに触れて、嬉しさを噛みしめ、部屋を出て、広間に向かった。