イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
城に入り、途中で家康と別れた私。
「(急いで着替えないと…)」
急ぎたいけど、廊下を走ると秀吉さんに怒られるから、早歩きで、自分の部屋に向かうと……
「あ、陽菜!おかえり。」
「お姉ちゃん!ただいま!」
廊下の向こうから、お姉ちゃんが歩いてきて、パタパタと小走りでお姉ちゃんに近づく。
「ごめんね。お出迎えできなくて……宴の準備と、急ぎの針作業してて……」
「ううん!準備してくれて、ありがとう!急ぎの針作業……依頼か何か?」
もし、依頼されてるものだったら、宴の準備を任せっきりにさせてしまって、なんだか申し訳なく、不安になりながらお姉ちゃんに聞く。
「依頼じゃないの。ちょっと、佐助くんに頼まれてね♪……にしても、なんで高校時代の制服着てるの?」
「う……///…こ、これは……っ…///」
お姉ちゃんが、不思議そうに私の恰好を見て、首を傾げる。
お姉ちゃんの指摘に、瞬時に、制服を着るまでにいたった経緯を思いだし、顔が熱くなる。
「??まぁ、それより早く着替えないとっ!宴始まっちゃうよ。」
「わわっ!そうだ。急がないとっ…!」
「着替え、手伝ってあげるから。ついでに、髪の毛も弄らせて♡」
「え?うん。別にいいけど…」
「ふふ♡ありがとう♡」
髪の毛のアレンジとか、苦手だから、正直やってくれるのは助かる。
だけど、お姉ちゃんが何かを企んでいるような顔で、クスクス笑っているのが気になる……。
ジーっとお姉ちゃんの顔を見るけど、ニコニコと笑みを崩さない。
「ほら♪早く行くよ♡」
お姉ちゃんに手を掴まれ、グイグイと引っ張られるように、足を動かす。
「(……まぁ、変なことはしないか……)」
お姉ちゃんの様子は気になるけど、お洒落に関しては、一切手を抜かないお姉ちゃん。
だから、変な髪型にはしないだろうし、きっと可愛くしてくれるだろう。
好きな人の誕生日。
少しでもおめかししたら、主役の家康は喜んでくれるだろうか?
そんなことを考えながら、お姉ちゃん引っ張られて、部屋に向かった。