イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第6章 プレゼントを探せ!~お祝い編~
二日間にわたっての宝探し。
戦国時代では、スポンジに必要な材料を探しだして、スポンジを作った。
その後、現代に飛ばされて、ケーキの飾り付けに必要な材料を手にいれ、ケーキも見事に完成させて、無事に現代から帰ってきた。
現代の服に身を包んだ私たち。
薄暗い景色に紛れ安土城に戻ると
秀吉さん、政宗、三成くんの三人が、門前で出迎えてくれて私たちに声をかける。
「ただいま!!」
元気いっぱいに返事をすると、秀吉さんに頭を撫でられた。
「もう宴の準備も出来てる。着替えてこい。」
「うん!あ、政宗。ケーキお願いしていいかな。涼しいところに置いといてほしいの。」
「おう。まかせとけ。」
政宗にケーキを預けて、着ている服を現代のものから、着物に着替えるために、城門を潜ろうとしたとき
「では、俺はこれで、失礼します。」
佐助くんの声が聞こえ、振り向く。
「え?佐助くん、帰っちゃうの?」
「うん。家康公の誕生日に、家康公と過ごせただけで幸せだから。」
「でも………」
宝探しのことも、生クリームと苺のために、ワームホールのことを調べてくれたり……いろいろとしてくれたのに、ここでさよならは、なんだか申し訳ない……。
でも、佐助くんは立場上は、敵の忍びだから、引き留めてはいけないのか……といろいろ考えて、顔を俯けると……
「………あんたも宴…参加したら…」
家康が、佐助くんを宴に招待する言葉に顔をあげる。
「そうだな。貴様のおかげで、面白い体験が出来た。その礼だ。貴様も宴に参加しろ。」
「……いいんですか?」
「主役の家康も許可しているからな。構わん。」
「飯も、大量に作ってるしな。一人増えたところで、どうってことねーよ。」
「信長様もおっしゃってることだし、俺たちもお前のおかげで、いろんな家康の姿を見させてもらったからな。一緒に家康を祝ってくれ」
「…はい。ありがとうございます」
深々と頭を下げてお礼を言う佐助くん。
それを見た、家康は佐助くんに背を向け、お城へと足を進める。
私もそのあとを走って追いかけ、追い付くと家康の腕に腕を絡ませる。
「……っ…なに?」
「ふふ♪楽しい宴になりそうだね!」
「………そうだね。」
そう言った家康の顔は、少し嬉しそうに、頬を緩ませていた。